日本刀の手入れ
日本刀は手入れをしなければ錆びてしまいます。刀身は玉鋼のため錆びやすいです。美術品である日本刀の最大の敵であり、湿気が多い日本はなおさらです。
もし、錆びてしまったら研いで手入れしなければなりません。しかし、それは容易なことではなく、研ぐのにもかなりのお金がかかります。だいたい一尺(約三センチ)で二万前後かかります。そのため、錆の範囲が広ければ広いほど、数十万かかることになります。
ただ、日本刀の手入れは難しいイメージが強いです。手入れのやり方、頻度等を紹介していきましょう。
手入れの頻度は年に数回程度です。通常、日本刀の観賞を行うたびに手入れをして戻していましたが、観賞する機会がない昨今、年に数回は手入れすることをお勧めします。
さて、手入れのやり方ですが必要な道具があります。それは『目釘抜き』『打ち粉』『ぬぐい紙』『丁子油』です。
『ぬぐい紙』は上質で柔らかい紙であれば何でもよく、市販のティッシュペーパーでもいいです。通常は『丁子油』を染み込ませる専用の布も必要ですが、こちらもガーゼなどでもいいです。手入れの手順は以下の通りです。
1. 目釘抜きで柄にある目釘を抜き、柄とはばきを取ります。柄の外し方は、柄をしっかり握り、握った手首を叩くと外れます。(外れない場合、当て木と金槌で外すやり方もあります。)
2. ぬぐい紙で刀身に付いている古い油を拭き取ります。拭き取り方は、はばき元から上に軽く数回繰り返して拭き取ります。
3. 打ち粉をはばき元から切先まで打ち、片側は切先から元まで静かにムラなく打ちます。棟にも打ち粉をかけることを忘れないようにしてください。
4. 打ち終えた後、粗い打ち粉を掃き落とすためにぬぐい紙でを軽く拭き、刀身を刀背からはさんで、はばき元から切先のほうへ繰り返し拭き取ります。この時、古い油が完全にぬぐい取れているか刀身を光にかざし、残っていれば打ち粉を打って丹念に拭き取ります。
5. 拭き取った後、新しい油を短冊状に折りたたんだ紙に浸し、まだらにならないように万遍なく、はばき元から切先にかけて塗ります。この時、油を多く塗りすぎたら、新しいぬぐい紙で軽く拭き取ってください。
以上が手順です。
手入れ道具は刀屋やネットなどで購入可能です。頻繁に手入れするわけではありませんので、したことない人は一度手入れしてみましょう。
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