日本刀各部の名称
日本刀は伝統的な「たたら製法」による玉鋼を鍛錬して造られます。時代によって質等が変わり、日本刀の出来に変化が生じます。現在では美術品である日本刀も、昔は武器として使われ、よく切れる業物かどうかが重要視されていました。
さて、刀装具にも様々な名称があるように、日本刀自体にも様々な名称があります。簡単に紹介していきましょう。
1. 刃長
刃の長さのこと。棟区から切先の先端を結ぶ直線と、棟との間の最も長い寸法のこと。
2. 切先
鋒とも。刀身の先端にある横手より先の鋭利な部分のこと。
3. 反り
日本刀の刃先が描く曲線のことで、棟区と切先の先端を結ぶ直線と棟との距離が一番離れている所の寸法のこと。
4. 刃文
焼入れによって生じた文様、焼刃の部分で、この部分は他の部分より堅くなっている。性質によって沸出来と匂出来に大きく分けられ、形状により直刃、互の目乱刃、丁子乱刃などがある。
5. 平地
鎬筋から刃先にかけての部分にこと。一般的に、日本刀鑑賞にはこの部分の地鉄を鑑賞する。
6. 鎬地
鎬筋から棟の間の平地の部分のこと。研師により鏡面のような磨地に仕上げられる。
7. 鎬筋
横手から茎尻までの平地と鎬地の境界をなす線のこと。
8. 棟
刃の反対側にあたる部分のこと。角棟や平棟など様々な種類がある。
9. 区
刀身と茎の境界にあたる部分のこと。刃側を刃区、棟側を棟区と呼ぶ。区は、はばきの下に隠れているが、その日本刀が研ぎ減りしていないか等は、刃区をみればわかる。
10. 茎
刀身の握る部分のこと。銘が切られており刀の鑑定に重要な部分。芯鉄でできており、時間の経過とともに錆びるが、この錆びも重要な鑑定のポイントとなる。
以上です。様々ある名称を覚えておくことで、日本刀をより深く知ることができます。博物館や美術館で日本刀の鑑賞を行うときは参考にしてみてください。
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