日本刀の銘
日本刀には銘の有無があり、日本刀の茎に切られた刀工の名前や製造年紀のことで、大宝元年(701年)に制定、その後義務付けられています。また、日本刀の銘には様々な種類があります。
1. 刀工銘
日本刀の銘の中で最も代表的であり、刀工銘にも種類がある。
『二字銘』は刀工銘のみを切ったもの。『三字銘』は二字銘に「作」や「造」を加えたもの。その他にも「備前国」「長船」等の国や村等の名前や「大和守」「和泉守」等の受領銘を加えたもの、俗名や入道銘等を加えたもの等、多種多様ある。
2. 年紀
日本刀が造られた年の年号を切ったもの。昭和以前は六十年を越える年号がなく、「干支(或いは十干十二支)」で切ったものも多い。また南北朝期のみは、北朝年紀と南朝年紀が両方みられるため、刀工がどちらの陣営に属していたかわかる。
3. 截断銘
日本刀がよく斬れるかを試す、試し斬りの銘のこと。部位などで「二つ胴截断」「三つ胴落」等と銘を切る。試し斬りは争いが終わり平和になった江戸時代以降に行われ、罪人の死体で行っていた。しかし、簡単に試し斬りが出来るわけではなく、そのプロにお金を支払って試し斬りをしていたため、数は多くない。
4. 所持銘
日本刀を所持している人が切ったもの。たいてい自慢するためのもので、必然的に古刀の名刀に多く見られる。国宝にも五口存在する。
5. 象嵌銘
金象嵌、銀象嵌の銘のこと。象嵌技術は古くからあり、日本刀に象嵌銘を切るようになったのは安土桃山以降だといわれている。象嵌銘は上記の銘にも見られることがある。
6. 朱銘
本阿弥家の規定で無銘である日本刀が極めと指定されたときに、朱漆で書いたもの。茎を傷めないように漆で書かれており、触れるだけでも剥落する。そのため、古い日本刀の朱銘のほとんどは剥落して読めなくなっている。偽物の極めも多い。
7. 無銘
何も切られていない銘のこと。日本刀に多くみられる。
以上が日本刀の銘です。在銘の日本刀のほうが価値があると思われている人は多いと思いますが、実は国宝の日本刀の約四分の一は無銘です。しかし、そのほとんどは南北朝以前に造られた日本刀です。そのため、時代が古ければ古いほど価値があるといえます。
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