日本刀の偽銘

いつの時代にも「偽物」と呼ばれる品は多く出回り、現代ではブランド物に多く見られるようになりました。昔の日本では焼き物や掛け軸、絵画といったものに多く見られ、また日本刀も例外ではありません。その多くは本物と偽り、高値で取引するために出回っています。また、日本刀の押型や写真が出回ることでより精巧な偽物が出回り、初心者はもちろん、長年の経験を積み、鑑識眼を持った人でも見間違う出来の日本刀があります。

日本刀の真贋では茎をまず確認します。銘の切り方、茎の錆具合、状態などで真贋を見極めます。しかし、区別のつかない偽銘が存在するのも事実です。また、在銘の日本刀はよく売れるため、日本刀の偽物は在銘の偽銘が多く存在します。今回は偽銘について簡単に紹介します。


1. 改銘
偽銘の一種だが、同国同系脈の日本刀を一段落上の銘にするもので、様々な特徴が共通するため、偽銘だと見分けがつきにくくなる。特に、弟子の銘をつぶし、師匠の銘に改銘させられると、日本刀の特徴が似ている場合、鑑定家でも見間違うことがある。

これには数多くの本物を見ていくしか見分けられない。


2. 後銘

無銘や在銘の日本刀の銘を消して、有名刀工の銘を入れるもので偽銘のなかで最も多い。しかし、刀身の出来と銘の出来が合わないことが多い。例えば、関で造られた日本刀を備前の日本刀に直したりすると、ある程度勉強していれば簡単に見分けられる。


3. 継ぎ茎

キズなどがひどい有名刀工の作の茎を切り取り、無銘の日本刀や出来の悪い日本刀に継ぐ方法。継ぎ目が目立つこともあり、見分けやすいが、近年では継ぎ目をなくし、錆付けややすり目なども精巧になり見分けにくくなっている。しかし、銘がよくても刀身とのバランスが不自然であるため、そこで見分けるしかない。


以上が偽銘についてです。日本刀を真贋として、本物を覚えていくことが一番いいようで、例えば絵画でいえば、本物と偽物を並べて見て、違和感を探していく。日本刀も同じことがいえ、偽物をみて違和感を覚えるようになるとよいとされているようです。

日本刀の良し悪しについても、良い所を探すのではなく欠点を探していきます。つまり、欠点のない日本刀が良い日本刀といえるのです。

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日本刀愛好家による日本刀のあれやこれやを紹介! 所持のルールや手入れのやり方から処分、売買のやり方まで日本刀の疑問すべてを紹介していきます。

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