日本刀と拵え3
前回「日本刀と拵え2」にて『肥後拵え』を紹介しました。人気のある拵えであり、多くの愛好家がその拵えに愛刀を収めたいと考えているようです。今回はお国拵えの中でも個性的な「薩摩拵え」を紹介します。
薩摩拵え
実用的な拵えであり、戦国期の拵えに似たものがある。薩摩の気風を端的に表した拵えは他になく、太く大きい拵えである。もともと、薩摩御流儀示現流という剣術のために造られ、武用拵えの性格が強い。この流派には「刀は抜くべからざるもの」という教えがあり、鍔に小穴があり、栗形に結ぶことで抜けないようになっている。また、居合がしやすいように柄が非常に長く太いものになっている。
数ある拵えの中でも個性的な拵えであるが、薩摩刀の位列に比べ粗末なものが多いため、外されたり壊されてしまっている。
以上が薩摩拵えについてです。特に鍔が特徴的であり、上級武士が好んだ華美な拵えではなく、下級武士などが好んだ、質実剛健な拵えになっています。しかし、その多くは金具が無くなったり、壊されてしまっています。
0コメント